世界遺産の古都トレド:2千年の歴史が交錯する都市

最終更新日:2023/09/28

世界遺産の古都トレド:2千年の歴史が交錯する都市

世界遺産の古都トレドは、2,000年以上の歴史を誇るヨーロッパ最大の遺産地区の中心に位置します。異なる文明が交差したこの都市は、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教という三大宗教の共存の証として、独特のムデハル建築を持つ。ローマ、西ゴート王国、後ウマイヤ朝、スペインの黄金時代といった多彩な時代の足跡が息づくこの地は、文化と歴史の宝庫として、訪問者を魅了し続けています。

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古都トレドについて知ってますか?
スペインの2千年以上の歴史を持つ世界遺産について詳しく解説しますね。
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これを読めば大体わかる。
「古都トレド」の概要

トレドはローマの都市(municipium)としての歴史を持ち、さらに西ゴート王国の首都、コルドバのイスラム帝国の要塞、キリスト教国家がムーア人と戦った前哨基地としての役割を果たしてきました。

16世紀には、カール5世のもとで一時的な最高権力の所在地となりました。

トレドは2,000年以上の歴史を持つ街であり、異なる文明の名作を抱えています。この街の特徴は、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教という三大宗教が共存したことが大きな要因となっています。

ユダヤ教、キリスト教、イスラム教という三大宗教が共存

1986年に、古都トレドはユネスコの世界遺産(文化遺産)に旧市街全域とともに登録されました。

現代の変革から離れ、古代ローマ、西ゴート王国、後ウマイヤ朝、そしてスペインの黄金時代など、2千年の文明の足跡が残されています。特にユダヤ教、キリスト教、イスラム教の異文化が混在するムデハル建築は、トレドの価値を際立たせています。

かつての帝国都市であり、El Greco(エル・グレコ)の絵画にその美しさが描かれたトレド。

夜の都市の景色を楽しむためや、その深い歴史をより深く探るために、マドリードから80キロ以内の距離にありながら、数日を過ごす価値がある場所です。

ヨーロッパ最大の遺産地区

コンデ・オルガスの埋葬(Burial of Conde Orgaz)があるサント・トメ教会(Santo Tomé)

トレドの旧市街の迷路のような通りを歩くと、世界遺産地区としての豊かな歴史を体感できます。

クリスト・デ・ラ・ルス・モスク(Cristo de la Luz mosque)は、1000年以上前のモスクで、ヒスパノ=イスラム建築やムデハル建築の重要な例となっています。

また、エル・グレコ(El Greco)の美術館や、彼の代表作であるコンデ・オルガスの埋葬(Burial of Conde Orgaz)があるサント・トメ教会(Santo Tomé)なども見どころです。

Visit Toledo, a UNESCO World Heritage City

「古都トレド」を地図で場所を調べる

古都トレドはスペイン中央部のカスティーリャ=ラ・マンチャ自治州に位置する歴史的都市です。

タホ川の曲がりくねった岸辺に位置し、丘の上に築かれたこの都市は天然の要塞のような景観を持つ。

気候は内陸性で、夏は非常に暑く、冬は冷涼となる典型的な地中海性気候を呈します。この気候と地形が、トレドの特有の風土や料理、文化に影響を与えています。

狭い路地や中世の建築物が網の目のように広がる旧市街は、異なる文化や宗教が時代を超えて共存し続けたことの証として、今も多くの観光客を魅了しています。

「古都トレド」の見どころ

ゴシック様式のトレド大聖堂

スペインのゴシック建築の代表例とされるこの大聖堂

スペインのゴシック建築の代表例とされるこの大聖堂は、トレドのシンボルとも言える建造物です。その豪華な内部やステンドグラスは見る者を魅了します。

エル・クリスト・デ・ラ・ルス(Cristo de la Luz)

10世紀に建てられたこのモスクは、トレドの最も古い建物の一つであり、ヒスパノ=イスラム建築の素晴らしい例となっています。

エル・グレコ美術館(Museo de El Greco)

トレドを愛し、その風景を多くの作品に描いた画家、El Grecoの作品や彼の生涯に関する展示が楽しめます。

アルカサル(Alcázar)

アルカサル(Alcázar)ローマ時代に宮殿があったこの要塞

ローマ時代に宮殿があったこの要塞の場所は、トレドの街を一望できる場所に位置しており、中世の歴史とともに現代のトレドの景観を堪能することができます。

ミラドール デル バイエ展望台(Mirador del Valle)

トレド旧市街の絶景を楽しむことができるスポットで、特に夕暮れ時の眺めは絶品です。

伝統的な料理とガストロバー

トレド特有の伝統料理、例えば「ミガス(migas)」や「カルカムーサ(carcamusas)」を楽しむことができるレストランが点在しています。また、新しいガストロバーでは、地元のクラフトビールやモダンな料理も味わえます。

「古都トレド」の世界遺産登録について

古都トレドの世界遺産登録とその背景

トレドの旧市街の迷路のような通りを歩くと、世界遺産地区としての豊かな歴史を体感できます。

世界遺産への登録

古都トレドは1986年にユネスコの世界遺産(文化遺産)として登録されました。これは、都市が2,000年以上の歴史を持ち、ローマ時代、西ゴート王国、ウマイヤ朝、そしてスペイン黄金時代を通じて多様な文明の痕跡を残していることを評価された結果です。

歴史的背景

トレドは、異なる宗教や文化が共存してきた街として知られています。ユダヤ教徒、キリスト教徒、イスラム教徒が何世紀にもわたって共に生活し、その影響は今も街の各所で見ることができます。この共存が生んだムデハル建築など、異文化の融合を示す建築物や文化的遺産は、トレドの特徴とも言えます。

登録理由

トレドが世界遺産として登録された主要な理由は以下の通りです:

  1. 人類の創造的才能の傑作:都市そのものが、異なる文明や宗教の影響を受けつつ形成されてきた美しい景観や建築物の組み合わせを持っている。
  2. 人類の価値の重要な交流:トレドは、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展において、異なる文明や宗教の価値が交錯した結果として形成されてきました。
  3. 文化的伝統や文明の証拠:トレドは、異なる宗教や文明の共存の証として、ヨーロッパの中でも類稀な存在となっています。
  4. 人類の歴史上重要な時代の代表:トレドは、ゴシック様式の建築やムデハル建築など、様々な時代やスタイルの建築物群を持っており、それぞれの時代の特徴をよく示しています。

参考文献・参考サイト

Historic City of Toledo – UNESCO World Heritage Centre
https://whc.unesco.org/en/list/379/

Visit Toledo in a day. Tourism in inland Spain | spain.info
https://www.spain.info/en/route/toledo/

Sightseeing in Toledo. What to see | spain.info
https://www.spain.info/en/destination/toledo/

トレド – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%89

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作成者: LILY

こんにちわ。LILYの編集長です。 最近Huluを自宅に導入してみました。海外ドラマにすっかりハマってしまい、毎晩眠るのが遅くなっています。海外ドラマで寝不足が続きそうです。