スペイン北部に広がる一連の洞窟は、旧石器時代の洞窟美術で世界的に有名です。この地域のAltamira Cave(アルタミラ洞窟)を含む洞窟群は、UNESCO(ユネスコ)によって「世界遺産」に指定されています。特に、アルタミラ洞窟は旧石器時代美術の発見地として、技術と美的品質の両面で高く評価されています。
世界遺産「アルタミラ洞窟と北スペインの旧石器時代の洞窟画」は、人類の芸術と文明を知る手がかりとなるスペイン北部の洞窟群は、旧石器時代から現代までの人々に多大な影響を与えています。
これを読めば大体わかる。
「アルタミラ洞窟と北スペインの旧石器時代の洞窟画」の概要
スペイン北部の旧石器時代の洞窟美術
スペイン北部には、旧石器時代の洞窟美術を代表する一連の洞窟があります。これらは、アルタミラ洞窟(Altamira Cave)をはじめとした、アストゥリアス州(Asturias)、カンタブリア州(Cantabria)、バスク自治州(Basque Country)に位置しています。
世界遺産としての価値
これらの洞窟美術は、UNESCO(ユネスコ)によって世界遺産にも指定されています。特にアルタミラ洞窟は、旧石器時代の洞窟美術(Palaeolithic cave art)を最初に明らかにした場所とされ、技術的な完成度、美的品質が評価されています。
この洞窟群は、人類史において重要な時代、特にオーリニャック文化(Aurignacian)からマドレーヌ文化(Magdalenian)に至るまでの証拠を残しています。
洞窟美術の特徴
洞窟の中に描かれた美術作品は平均で14,000年前のもので、主にバイソン、鹿、イノシシ、馬などが描かれています。使用された色材は主に赤色の土と黒で、保存状態も良好です。
洞窟美術の社会・文化への寄与
これらの洞窟美術は、当時の人々の社会的、文化的適応の反映であり、現生人類(Homo sapiens)がヨーロッパに出現してから40,000年以上経った後の新しい芸術レベルと密接に関連しています。
世界遺産に登録された洞窟
アルタミラ洞窟は、1985年にとして単独登録されました。その後、2008年にはさらに17箇所が追加される形で拡大登録され「アルタミラ洞窟とスペイン北部の旧石器洞窟美術」と改称されました。
カンタブリア州
- アルタミラ洞窟(Altamira Cave / Grotte d’Altamira)
- コバラナス洞窟(Covalanas Cave)
- オルノス・デ・ラ・ペーニャ洞窟(Hornos de la Peña Cave)
- ラ・ガルマ洞窟(La Garma Cave)
- ラ・パシエガ洞窟(La Pasiega cave)
- ラス・チメネアス洞窟(Las Chimeneas cave)
- エル・カスティーリョ洞窟(El Castillo Cave in Puente Viesgo)
- エル・チュフィン洞窟(El Chufín cave)
- エル・ペンド洞窟(El Pendo cave)
- ラス・モネダス洞窟(Las Monedas Caves)
アストゥリアス州
- ペーニャ・デ・カンダモ洞窟(Peña de Candamo cavern)
- コバシエーリャ洞窟(Covaciella Cave)
- リョニン洞窟(Llonín Cave)
- エル・ピンダル洞窟(El Pindal cave)
- ティト・ブスティーリョ洞窟(Tito Bustillo cave)
バスク自治州
- エカイン洞窟(Ekain Cave)
- サンティマミニェ洞窟(Santimamiñe Cave)
- アルチェリ洞窟(Altxerri Cave)
「アルタミラ洞窟」を地図で場所を調べる
「アルタミラ洞窟と北スペインの旧石器時代の洞窟画」は、スペイン北部のアストゥリアス州(Asturias)、カンタブリア州(Cantabria)、バスク自治州(Basque Country)という自治地域に広がっています。
この地域は「カンタブリア海岸(Cantabrian Corniche)」とも呼ばれ、山岳地帯と海岸線が交錯する美しい自然環境にあります。
特に、世界遺産にも登録されているアルタミラ洞窟は、カンタブリア地域に位置します。
アルタミラ洞窟
「アルタミラ洞窟と北スペインの旧石器時代の洞窟画」の観光
アルタミラ洞窟の壁画は、外部環境の影響によって劣化が進んでいるため、一般公開は現在停止されています。同様の理由で、他の地域の洞窟壁画も公開が制限されています。
現在は洞窟画のレプリカをスペインのアルタミラ国立博物館研究センターなどで見ることができます。
「アルタミラ洞窟と北スペインの旧石器時代の洞窟画」の世界遺産登録について
世界遺産登録の年代と歴史的背景
「アルタミラ洞窟と北スペインの旧石器時代の洞窟画」は、最初に1985年にアルタミラ洞窟単体でUNESCO(ユネスコ)の世界遺産に登録されました。
その後、2008年に拡張され、北スペインに点在する他の17の洞窟も含まれるようになりました。
これらの洞窟は、アストゥリアス州(Asturias)、カンタブリア州(Cantabria)、バスク自治州(Basque Country)に位置しています。
登録の理由
「アルタミラ洞窟と北スペインの旧石器時代の洞窟画」は、旧石器時代の洞窟美術の発展と多様性、およびその保存状態が非常に優れていると評価されています。
特にアルタミラ洞窟は、旧石器時代の洞窟美術の発見が初めて確認された場所であり、その技術的・美的品質が非常に高いとされています。
世界遺産の拡張登録について
2008年の拡張登録により、洞窟群は「アルタミラ洞窟と北スペインの旧石器時代の洞窟画」として再評価されました。
この拡張によって、より多くの洞窟が含まれ総合的に評価されるようになりました。
参考文献・参考サイト
Cave of Altamira and Paleolithic Cave Art of Northern Spain – UNESCO World Heritage Centre
https://whc.unesco.org/en/list/310/
The Altamira cave. Prehistory and cave paintings | spain.info
https://www.spain.info/en/places-of-interest/caves-altamira/
Palaeolithic cave art of the Cantabrian Coast (Altamira Cave extension) in Santillana del Mar | spain.info
https://www.spain.info/en/places-of-interest/palaeolithic-cave-art-cantabrian-coast-extension-altamira-site/
アルタミラ洞窟 – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%9F%E3%83%A9%E6%B4%9E%E7%AA%9F