「ミュスタイルのベネディクト会聖ヨハネ修道院」は、1200年以上の歴史を持つユネスコの世界遺産です。
1983年に世界遺産に登録され、ヨーロッパの政治・社会経済の変遷を映し出す建築と、美しいカロリング朝の壁画群がその理由です。
キリストの歴史を描いた壁画は、保存状態が良好であり、キリスト教の象徴的表現の優れた例とされています。
これを読めば大体わかる。
「ミュスタイルのベネディクト会 聖ヨハネ修道院」の概要
シャルルマーニュとミュスタイルの修道院
言い伝えによれば、シャルルマーニュ皇帝が雪嵐に遭遇した際、無事でいられたことに感謝して、約1200年前にミュスタイルの聖ヨハネ修道院を設立したと言われています。
この修道院は、もともと男子修道院として始まり、12世紀からは女子修道院となっています。
今日までずっと誰かが生活を営んでいる場所ということになります。
ミュスタイルとその歴史
ミュスタイルは、スイスで最も東に位置する村で、ロマンシュ語で「修道院」を意味します。
この修道院の建築史は、1200年以上にわたって続いていて、常に一部だけが変化し続けています。
そのため、現在見られる建物は、様々なスタイルや時代の建築が複雑に組み合わさった形になっています。
世界遺産としての修道院
1983年に、この修道院はUNESCOの世界遺産に登録されました。
壁画や他の建物の一部が、特に世界遺産に登録される決め手となりました。
修道院が古くなり修理が必要だったため、修道院が世界遺産に選ばれたとき、修道院のシスターたちは驚いたそうです。
修道院の特徴と価値
ミュスタイルの聖ヨハネ修道院は、シャルルマーニュの命令によって設立されたと考えられています。
この修道院は1200年以上もの間、ヨーロッパ全体の政治や経済の関係を反映しながら発展してきました。
特に注目すべきは、9世紀初頭に描かれたフレスコ画の連続体。これらはキリストの生涯を描いており、カロリング朝時代の美術を伝える最も重要なものとされています。
「ミュスタイルのベネディクト会 聖ヨハネ修道院」を地図で場所を調べる
ミュスタイルのベネディクト会聖ヨハネ修道院は、スイスの最東部に位置しています。
この地は、南アルプスのすぐ南、グリゾン州の谷間に広がっています。
ミュスタイルは、ヴェノスタ谷が開くロマンシュ語圏の小さな村で、その名前はロマンシュ語で「修道院」を意味しています。
村と谷はその修道院から名前を取っています。
「ミュスタイルのベネディクト会 聖ヨハネ修道院」の見どころ
ミュスタイルのベネディクト会聖ヨハネ修道院
ミュスタイルのベネディクト会聖ヨハネ修道院は、1200年以上の歴史を持つ修道院で、その建物群は様々な時代とスタイルを反映しています。初期の設立時からの教会や聖十字架の礼拝堂、10世紀のプランタ塔、11世紀の司教の館など、様々な建築のハイライトが見られます。特にプランタ塔はアルプス最古の要塞住居塔で、見逃せません。
中世の壁画群
ユネスコ世界遺産に指定されているこの修道院の最大の名物は、中世の壁画群です。
この壁画群は中世フレスコ画の最大かつ最も保存状態が良いもので、9世紀初頭に作られたものです。
キリストの歴史を描いたこれらの壁画は、一連の物語を通じてキリスト教の象徴的な表現を見せています。
お土産
修道院内には、地元の工芸品やキリスト教の記念品、本やカード、聖ヨハネに関する各種商品が売られているお店があります。
特に修道院の歴史や壁画について詳しく説明した書籍は、訪問の記念に最適です。
観光
修道院への訪問は、その歴史的な建物群と壁画を見学するだけでなく、静かで平和な雰囲気を楽しむためのものでもあります。
教会内部は静かに参拝することが求められますが、敷地内を散策し、周囲の自然の美しさを堪能することもできます。
また、ミュスタイル村自体も訪れる価値があり、地元の文化や生活を体験することができます。
「ミュスタイルのベネディクト会 聖ヨハネ修道院」の世界遺産登録について
世界遺産登録の年代と背景
「ミュスタイルのベネディクト会聖ヨハネ修道院」は1983年にUNESCOの世界遺産に登録されました。
その登録の背景には、修道院の1200年以上にわたる継続した宗教活動とその建築物の歴史が評価されたことがあります。
また、修道院内に保存されている9世紀に作られたカロリング朝の壁画は、その保存状態の良さと大きさから特に重要視されました。
登録の理由
世界遺産に登録された主な理由は二つあります。
一つは修道院が示す建築の進化とヨーロッパの政治・社会経済の変遷を反映したこと、そしてもう一つは、修道院内に保存されている壁画群がカロリング朝のフレスコ画の最重要な一例であると評価されたことです。
これらの壁画は9世紀初頭に描かれ、キリストの歴史を描いています。
これらは、彫像美術と空間、テーマ的なつながりによって繋がれた一連のシーンを展開し、キリスト教の象徴的な表現の優れた例を提供しています。
これらの特徴から、「ミュスタイルのベネディクト会聖ヨハネ修道院」はユネスコ世界遺産に相応しいと認定されました。
参考文献・参考サイト
Kloster St. Johann: Convent of St. John
https://www.muestair.ch/en/unesco-world-heritage/convent-of-st-john/
聖ヨハネ・ベネディクト会修道院 | スイス政府観光局
https://www.myswitzerland.com/ja/experiences/benedictine-monastery-st-johann/
Convent of St John in Müstair
https://ourheritage.ch/kloster-st-johann-in-muestair
Benedictine Convent of St John at Müstair – UNESCO World Heritage Centre
https://whc.unesco.org/en/list/269/
Benedictine Convent of St John in Müstair, UNESCO World Heritage – YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=TGz-S-hPooA
ザンクト・ヨハン修道院 – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B6%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%A8%E3%83%8F%E3%83%B3%E4%BF%AE%E9%81%93%E9%99%A2