スイス北東部のザンクト・ガレン市に位置する「ザンクト・ガレン修道院」は、ユネスコの世界遺産に1983年に登録された貴重な歴史的遺産です。
8世紀からの長い歴史を持つこの修道院は、美しいバロック様式の建築物と、世界でも最も古く、最も価値のあるコレクションを持つ図書館で知られています。
また、修道院の地位を高めたこの素晴らしい図書館は、世界文化遺産の一部として特に価値が認められています。
これを読めば大体わかる。
「ザンクト・ガレン修道院」の概要
スイス北東部、ザンクト・ガレン市に位置するザンクト・ガレン修道院は、1983年にユネスコの世界文化遺産に登録された重要な歴史的遺産です。
修道院の歴史
8世紀から始まる修道院の歴史は、長い年月を経てバロック様式の素晴らしい建築物が築かれ、それが修道院の最高の輝きとなりました。
初めはアイルランドの宣教師、聖ガルスによって設立された隠者の共同体で、それが次第に修道院となり発展してきました。
建築と図書館
修道院の建築物は、美しい広場を中心に配置されています。西側には古い教会と図書館、東側には現在カントン政府の庁舎となっている「Neue Pfalz」があります。
また、広場の北側には19世紀の建物が立ち並んでいます。それぞれの建物がそれぞれの時代を反映しており、一見バラバラに見えますが、全体としては一つの大きな修道院として統一感を保っています。
最も注目すべきは、18世紀のバロック様式の図書館で、世界でも最も美しいとされるこの図書館は、修道院の地位を高める大きな要素となりました。
また、現在の大聖堂は西洋で最後に建設された巨大なバロック式の教会の一つです。
修道院の宝物
修道院の図書館には、世界でも最も古く、最も貴重なコレクションが保存されています。
特に、7世紀と8世紀のアイルランドの写本、9世紀と11世紀のザンクト・ガレン学派の美しい写本、そしてスイスの起源に関する史料などがあります。
これら全てがまとまり、ザンクト・ガレン修道院が12世紀にわたる連続した活動を反映する素晴らしい建築群となっています。
この修道院は、私たちに貴重な歴史と文化の知識を提供してくれます。
「ザンクト・ガレン修道院」を地図で場所を調べる
ザンクト・ガレン修道院は、スイス北東部のザンクト・ガレン市に位置しています。
この地は、スイスの中でも特に景色が美しい地域として知られており、アルプス山脈のふもとに広がる田園風景の中に立つ修道院は、その歴史と美しさで観光客を魅了しています。
また、ザンクト・ガレン市はスイスの経済・文化の中心地の一つで、修道院の周囲には多くの歴史的な建物や施設が存在します。
「ザンクト・ガレン修道院」の見どころ
ザンクト・ガレン大聖堂
大聖堂は修道院の中心的存在で、その壮大なバロック様式の建築は、訪問者を圧倒します。
内部には美しいフレスコ画や豪華な装飾が施されており、特に天井画は必見です。
また、大聖堂の二つの塔に登ると、ザンクト・ガレン市全体のパノラマを眺めることができます。
ザンクト・ガレン修道院図書館
図書館は、世界で最も美しい図書館の一つと言われています。
バロック様式の内装が鮮やかで、壮大な書庫には、手書きの原稿や初期の印刷物など、歴史的に価値のある膨大なコレクションが保存されています。
特に、カロリング朝時代の修道院の設計図が描かれたパーチメントは、世界で唯一のもので、一見の価値があります。
Neue Pfalz
Neue Pfalzは現在、カントン(州)の政府機関として使用されている建物です。
修道院の広場を囲む建物群の一つで、修道院の精神的な側面だけでなく、政治や行政の中心地としての役割を物語っています。
これらのスポットは、ザンクト・ガレン修道院の歴史と文化の豊かさを体験する上で欠かせない場所となっています。
「ザンクト・ガレン修道院」の世界遺産登録について
世界遺産登録の年代と背景
ザンクト・ガレン修道院は1983年にユネスコの世界遺産に登録されました。
これはスイスの文化遺産として初めての登録で、ベルン旧市街とミュスタイアの聖ヨハネ修道院とともに選ばれました。
ザンクト・ガレン修道院は8世紀から始まる伝統と、18世紀の建築が融合した地域として評価されました。
登録の理由
ザンクト・ガレン修道院はカロリング朝時代の大修道院の完璧な例であり、8世紀から1805年の世俗化まで、ヨーロッパで最も重要な文化的中心地の一つでした。
その図書館は世界で最も古く、最も豊かなものであり、パーチメントに描かれた最古の建築計画などの貴重な文書を含んでいます。
修道院の建築群は、1200年間の修道院建築の歴史を象徴し、大規模なベネディクト会の修道院の典型的かつ優れた集合体とされています。
高中世から歴史主義まで、ほとんどすべての重要な建築期間が代表的な形で表現されています。
また、図書館はバロック時代の最も美しい例の一つとされ、現存する最後のバロック様式の修道院教会の大建築と評価されています。
これらの建築的な要素に加えて、修道院で保存されている文化的価値、特に7世紀と8世紀のアイルランドの手稿、9世紀と11世紀のザンクト・ガレン学派の彩色手稿、アレマン・スイスの起源の歴史に関する文書、そしてカロリング朝時代の修道院のレイアウトなどが、その世界遺産としての価値を高めています。
参考文献・参考サイト
Stiftsbezirk St. Gallen – Stiftsbezirk St.Gallen
https://www.stiftsbezirk.ch/en/
St. Gallen Abbey District | Switzerland Tourism
https://www.myswitzerland.com/en/experiences/st-gallen-abbey-district/
Abbey of St Gall – UNESCO World Heritage Centre
https://whc.unesco.org/en/list/268/
Stiftsbezirk St.Gallen – YouTube
https://www.youtube.com/@stiftsbezirk_st.gallen
ザンクト・ガレン修道院 – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B6%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%AC%E3%83%AC%E3%83%B3%E4%BF%AE%E9%81%93%E9%99%A2