原因不明の“かぶれ”。
お腹周りは『ベルト』、手首は『腕時計』が原因だった!?
最近、耳にすることも多くなった金属アレルギーの症状や原因についてご紹介します!
金属アレルギーって?
人間の体には、外からの有害な異物を検知した時に、それを追い出そうとする『免疫』という防御システムが備えられています。
“アレルギー”とは、何らかの原因によって『免疫』のシステムが狂わされ、害のないものまで有害と判断し、攻撃してしまうことをいいます。
この反応が金属に対して起こることを“金属アレルギー”というのです。
水銀や鉛のように、もともと有害な金属というのもありますが、ほとんどの金属は生命を維持するのに必要な栄養素でもあります。
例えば、「貧血予防に!」なんて気をつけて摂取している人も多い『鉄分』。
これも“金属”ですよね。
でも、金属アレルギーの人は、これらの必要不可欠な金属でさえも、有害と判断して排除しようとしてしまうんです。
そしてその反応は、様々な体の異常を引き起こします。
金属アレルギーの症状とは?
金属アレルギーの症状は、主に皮膚に表れます。
しかし、必ずしも金属が直接触れていたところに症状が起こるという訳ではないんです。
「全身性」と「局所性」があって、全身性の場合には、全く別の部分に症状が現れたりもします。
≪全身性金属アレルギー≫
体の中に入った金属が、別の場所に症状として表れるタイプ。
最も多いのは、歯に詰めた金属が唾液により溶けだして体内に入り込み、汗と一緒に排出される時に、手のひらなどに湿疹などの症状として表れるというもの。
『肌荒れ』や『水虫』と誤診されるケースも多いようです。
≪局所性金属アレルギー≫
長時間アクセサリーをつけることで、金属イオンが体の中に入り、金属が当たっている部分に皮膚炎を引き起こすもの。
発症までに時間がかかることが多いというのも金属アレルギーの特徴です。
原因となる金属が体の中に入り込んでも、すぐに発症するというものではなく、数年たってから症状が表れるということも少なくありません。
もちろん個人差があるので、すぐに発症するという人もいるようですよ。
代表的な症状をご紹介します。
≪小水疱≫
手のひらや足の裏などに小さな水ぶくれができます。
≪紅斑≫
広い範囲に渡って、皮膚が赤くなります。
≪痒疹≫
手足の他に、腹部や背中などにブツブツができます。
≪じんましん≫
発疹が出て、現れたり消えたりを繰り返します。
金属アレルギーの原因は…
金属アレルギーの主な原因は、アクセサリーと歯科金属です。
●アクセサリー
≪ピアス≫
皮膚を貫通するアクセサリーなので、常に“かぶれ”に気をつける必要があるピアス。
金属アレルギーの発症リスクも、最も高いとされています。
≪ネックレス≫
人目につきやすい首回りにつけるネックレス。肌に当たる面積も広いので、金属アレルギーが起こると、症状が目立ってしまいます。
≪指輪≫
結婚指輪やペアリングは、意外と見落とされやすいのですが、つけている時間も長いのでアレルギーの症状が起こりやすいもののひとつです。
≪ベルト≫
おへその周りが“かぶれてる”という場合、ベルトの金具などが肌に当たって炎症を起こしている可能性がありますよ。
●歯科金属
金属は強度も高く加工しやすいので、歯科治療でもたくさん利用されています。
しかし、唾液によりその金属が溶けでることで、金属アレルギーの症状を引き起こすということも多いんです。
手首のかぶれ症状…原因は腕時計??
普段何気なく身につけている『腕時計』。
これも金属アレルギーの原因になっている可能性があります。
腕時計をつけていると、手首が常に締めつけられている状態になっています。
特に夏場。
腕時計を外してみたら、“汗びっしょり”なんて経験はありませんか?
腕時計と手首の間というのは蒸れやすく、気付かないうちに汗をかいているのです。
そして、その汗によって腕時計の金属はイオン化します。
手首に金属が取り込まれてしまい、アレルギーを引き起こすという訳です。
昔に比べると、腕時計をしている人は少なくなりましたが、「仕事やファッションで必要!」と考えている人も、まだまだたくさんいますよね。
しかし、腕時計愛用者で、手首のかぶれに悩んでいるなんて人は、金属アレルギーを疑って、一度専門医に診てもらうことをオススメします。
手首のかぶれなどの症状を防ぐ為の対策は?
金属アレルギーの症状が疑われる場合、専門医を受診すると、まずはパッチテストを受けて、アレルギーの原因となっている金属を特定します。
歯に金属を詰めていたり、日常的に腕時計やアクセサリーをつけている人は、それが原因となっている可能性は大きいですが、実際に検査してみないと何とも言えません。
金属アレルギーと診断された場合は、『金属のアクセサリーは身につけない』ということが一番の対策です。
「症状が出ている場所から離れたところだから大丈夫」ではなく、全て外すほうが安心ですよ。
歯科金属が原因という時には、症状によっては、歯医者さんでその原因となっているものを外す必要も出てくるかもしれません。
「金属アレルギーは心配だけど、アクセサリーも身につけたい!」
という人には、アレルギーを起こしにくいとされている素材を選ぶことをオススメします。
必ずしもアレルギーが起きないという訳ではありませんが、『プラチナ』『チタン』『ステンレス』といった素材であれば、他の金属よりはアレルギーを引き起こす可能性がかなり低いので、試してみてくださいね。